

BOSCH製のエアコンサービスマシン”ACS751″(通称:ロボコン)を使用して、エアコンガスの適正化を実現します。
ロボコンの作業フローは下記の通りです。
- エアコンガス回収
- 回収したガス量の確認
- エアコンシステム真空引き
- エアコンシステム真空テスト
- エアコンガスクリーニング
- 高精度でのエアコンガス充填(+-10g)
- 任意量のコンプレッサーオイル充填
- 任意量のUV蛍光剤(漏れ検知剤)充填
- 作業レポート印刷
プラス、WAKO’Sパワーエアコン充填
高精度でのガス充填入替の何がスゴイかと言いますと、まずは冷え方が全く違います。
通常のゲージを使用した方法(2012年までは当店もそうでした)では、規定量を参考にしたおおよそのガス量を充填するのが精一杯で、どんなに精度を高めても+-100gくらいの誤差があります。
その100gくらいの誤差でも、エアコンは充分冷えます。
ゲージを使用してガスを充填したエバポレーター温度が8℃でかなり冷えるエアコンとなるクルマに、ロボコンを使用してガスを入れ直すと、なんと3℃まで温度が下がってしまいました。
これが+-10gの精度なのです。
クルマのツララ化も夢ではありません。
作業フローの詳細をご説明させていただきます。
- エアコンガス回収
なぜ回収するか、大気放出は法律的にも倫理的にも環境的にもいけません。
- 回収したガス量の確認
非公式ですが、自動車メーカーは1年間で8%のエアコンガス漏れはやむを得ないと言っています。
5年経過すれば、約半分に減っても仕方ないと言うことですね。
実際には半分まで減ってしまうクルマは少ないです。
どのくらい減っているかを確認することによって、現状のままエアコンガスを入れても問題ないか、あるいは修理が必要かの判断ができます。
- エアコンシステム真空引き
ガスを充填する前は真空引きをしますね。
- エアコンシステム真空テスト
これはもうガス充填前に行う重要な作業です。
真空状態を維持出来なければ、当然ガスを充填しても漏れてしまうことはあきらかです。
通常の整備工場の作業であれば、ゲージの針を見て確認するのですが、ロボコンはデジタル的に圧力を監視して状態の確認をします。
- エアコンガスクリーニング
車両のエアコンシステムにガスを充填する前に、ガスに含まれる不純物を除去します。
不純物が混入することによって、エアコンの効きをイマイチにしてしまったり、エキスパンションバルブの不具合を引き起こしてしまいます。
ガスの状態をロボコンがセンサーを使って判断し、キッチリとクリーニングします。
- 高精度でのエアコンガス充填(+-10g)
エアコンガスは、多くても少なくても効きに影響します。
効きだけではなく、ガス量が多いとコンプレッサーを壊してしまうこともあります。
製造元のBOSCHの取説では、+-10gと記載されていますが、実際に使用していると+-3gくらいの誤差ですね。
人間の作業では不可能な領域です。
- 任意量のコンプレッサーオイル充填
コンプレッサーオイルは、文字通りコンプレッサーの潤滑オイルです。
コンプレッサーの種類やサイズで、オイルの充填量が決まっています。
ずっとコンプレッサーの中でオイルが潤滑しているかというと、実は違いましてガスに混ざってオイルがシステム内部を循環しています。
ガスを回収すると、当然オイルも回収してしまいます。
ですので、ガスを充填する時にコンプレッサーオイルを同時に充填します。
ガス回収の段階で、回収したオイル量を計測しますが、意外とありがちなのがオイル過多。
エアコンの効きを悪くする原因のひとつです。
ロボコンは、適切なオイル量を管理しながら充填します。
- 任意量のUV蛍光剤(漏れ検知剤)充填
前述の通り、ガスは微量ながら漏れてしまいますので、どこから漏れるのかを探知しやすいようにUV剤を充填します。
エアコンの効きに影響する漏れは、検知剤が反応してくれます。
検知剤の反応が無い漏れは、自動車メーカーの言う8%の仕方がない漏れです。
いい加減な検知剤じゃないですよ、各自動車メーカーも採用しているアメリカのトレーサーライン社の検知剤です。
- 作業レポート印刷
一連の作業が終了すると、ロボコンの口から作業レポートが印刷されて出てきます。
回収したガス量から、真空引きして維持出来た圧力や、充填したガス量が記載されています。
そして最後に、WAKO’Sのヒット商品である「パワーエアコン」を充填します。
パワーエアコンは、コンプレッサーの潤滑能力をアップさせるほか、システム内部の汚れを取り込み、ガス内に分散さて、エキスパンションバルブなどの詰まりやすい部分に溜まらないようにするモノです。
パワーエアコンって、効きを良くするだけでは無いですね。

